期待しないブログ

science, sociality, electronic music, keiba, lifehack

「最近の若者は」という言説

最近の若者は「バックアップを取る」という意識がない? - ITmedia Mobile

若者はたたかれる

いつの時代であっても「最近の若者は…」という大人たちは存在します。「若者の◯◯離れ」とかも挙げていけばキリがありません。若者は常に経験値弱者であり、また大人たちとは異なる価値観をもつ存在です。そのような若者をおとしめるロジックはいくらでも成り立ちます。嬉々としてお説教を始める大人たちはたくさんいます。

価値観の分断

経験値強者として、つまづきがちな若者をサポートしてあげることは大人の役目です。しかし、サポートという名の善意の押し付けとなった場合、一方的な価値観の強制、あるいは先回りした問題解決をしてしまい、大人・若者間の精神的断絶や、結果的に若者を無力化してしまうことにつながります。

若者論の問題点

若者論はその多くが、これまで大人たちが当然と思っていた価値観が通用しないことへのいらだち、わかりえない他者への否定的なレッテルづけ、あるいは大人たちはちゃんとわかっているが若者はなにもわかっていない、というような自己正当化の方便として用いられます。そこにお互いの意思疎通や、若者を後ろ支えしてあげたい、というような気持ちが含まれていることは少ないように思います。

現場では

職場では「上司と若手社員」、学校では「教員と学生」がその構図にあたります。典型的なケースでは、大人(上司・教員)は若者(若手社員・学生)の無能さにレッテルを張り、ときにパワハラアカハラとよばれる状態にいたります。逆に若者はそんな大人たちを、自己の存在を脅かして攻撃してくる存在とみなし、境界線を引きます。これに耐えられなくなった人は、出社拒否・不登校にいたります。

もちろん、上下間の信頼が健全に構築され、よき師弟関係のようになる場合も多いと思います。

コーチングという発想

最近「コーチング」に関するセミナーを受けました。そこで印象的だったのが、上下関係づくりには4つのステップがあるということです。

  1. 嫌われない
    相手に自己を傷つける存在でないことを認識してもらう
  2. 理解者
    相手に自己を理解してくれる存在であることを認識してもらう
  3. 専門家
    1, 2の条件を満たす他者からの意見であれば受け入れることができる
  4. 協調者
    自立しはじめた相手を適切なタイミングでサポートする

上下関係における軋れきの原因となるのは、1, 2のフェーズをすっとばして3の立場から相手に意見しまくったあげく拒絶されることにあるように思います。

個人の尊重

上下関係の中で最も因果が深いのは親子関係だと思います。子どもにとって親は絶対神であり、親も子どもを意のままにコントロールしようとする傾向があります。

日本のように総中流、みんなが同じであることが理想とされる(されていた)社会においては個人の年齢、経験値、能力、価値観等の違いにかかわらず、まずそのような個人の存在を受容し、そこからお互いがお互いの良き理解者となるためのステップを踏んでいく必要があります。

とても骨の折れることですが、「コミュニケーション能力」というものが現代社会でもっとも重要であるならば、避けることができない課題です。